ねえ、キクさん。
蝋人形のように成った貴方を見て、私が何と思ったか知ってる?
聡明な貴方の事だから、どんなに誤魔化していても
きっと私の考えを見透かしたでしょうね。
「ずるいよ、キクさん。うらやましいよ。」
あんなに万全に、用意周到に、誰にも気づかせることもなく、
美しく見事に死ねたら、とあの後どんなに思ったことでしょう。
そして、そんな勇気も無く、貴方のように鮮烈に消えたいという
願望だけを持ち続けながら、「死んでいないだけ」の私がふがいなくて。
あれから2年、たった今もその思いに焦がされています。
あの時知った「千の風」が美しい歌曲となって、巷にあふれる今でも。
貴方をなくした喪失を抱え続けている限り、この思いは
私が生き続ける限り、消える事はないのでしょうけれど。
でもそうね、たぶん死ぬ気になれば、もう少し出来る事は
あるように思うけれど。